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2010 Game Results

 

 

シーズン総括

ビル・パーセルズ体制の3年目を迎えたマイアミドルフィンズはデンバーブロンコスとのトレードでWRブランドン・マーシャル、そしてFAでLBカルロス・ダンスビーと攻守の要となるべきプロボウル選手を補強し、3年目を迎えたQBチャド・ヘニーを先発に起用した。充実したチーム状態を背景にして、オーナーのスティーブン・ロスはスーパーボウル進出に自信を持っていた。そしてシーズンが開始されるといずれもロードゲームに連勝して大きく期待を抱かせるスタートを切った。

しかし第3週のニューヨークジェッツ、第4週のニューイングランドペイトリオッツといずれもホームゲームの同地区対決に連敗、特にペイトリオッツ戦ではそれまで不安があったスペシャルチームの失態で大敗し、試合終了後にはスペシャルチームコーディネーターを解雇するという事態に陥った。

その後は勝ち負けを繰り返す展開で、ロードで勝ち続ける一方でホームでは勝てないという不可思議な状況が続き、初めてホームで勝ったのは11月中旬、第10週の対テネシータイタンズ戦だった。

肝心の試合内容はマーシャル加入で向上するはずのオフェンス力が低調で、加えてオフェンシブラインの弱体化でランオフェンスも低迷、それに伴ってワイルドキャットも機能しなくなっていた。期待外れの成績が続いていたヘニーはタイタンズ戦を前にして先発の座から降格したが、代わりに先発したチャド・ペニントンがわずか2プレーで負傷退場するなど選手の怪我にも泣かされた。

シーズン終盤の勝負どころではクリーブランドブラウンズ、ビルズ、デトロイトライオンズといずれも格下のチームにホームで敗れてプレーオフ進出争いから脱落、結局3連敗で全日程を終えて、7勝9敗で2年連続の負け越しとなった。さらに最終的なホームゲームの成績はチーム史上最悪の1勝7敗で地元ファンからも不評を買うことになった。

以下、それぞれのポジションごとに2010年シーズンを振り返ってみたい。

 

クォーターバック

ドルフィンズ史上最高のQB…これがシーズン前のロスオーナーのヘニーに対する期待だった。しかしヘニーはパーセルズから失格の烙印を押されて開幕を迎え、開幕してからも低調なパフォーマンスでオフェンスにリズムを作れず、さらに新戦力のマーシャルも生かしきれないなど先発QBとして十分なプレーができなかった。一度は先発を外されたがペニントンの負傷により復活、しかしすでに自信を喪失していたのか不安定なプレーは払拭できなかった。プレコールの拙さやランプレーの欠如などヘニーにとっては不運な要素があったものの、NFLの先発QBとしては疑問符のつくシーズンとなり、結局パス成功率61.4%で3301ヤードを獲得してチーム史上4人目の3000ヤードパッサーとなったが、TDパス15に対してインターセプトは19個でQBレイティング75.4に終わった。

控えQBとしてシーズンを迎えたペニントンはヘニーの不振によりタイタンズ戦では先発QBに起用されたが最初のパスプレーで肩を痛め、直後にパス1本を成功させたもののその後欠場、そのまま故障者リスト入りとなった。

第3QBタイラー・シグペンはタイタンズ戦でのペニントン、ヘニーの負傷欠場を受けて第12週の対シカゴベアーズ戦に先発したが、オフェンシブライン陣の怪我などの影響もあって6QBサックを浴びるなどでチームを勝利に導けなかったばかりか満足なプレーもできなかった。またチームで唯一モビリティに優れたQBだったが、その特性も生かしきれずに終わった。

 

ランニングバック

昨シーズンはNFL4位のランオフェンスを誇ったドルフィンズだったが、今シーズンは1試合平均102.7ヤードと同21位まで落ち込んだ。さらにラッシングTD数は22個から8個に激減した。その大きな要因としてはオフェンシブラインの弱体化があげられるが、他にエースRBロニー・ブラウンのプレー内容の低下もあったと思われる。

ブラウンはNFL6年のキャリアで初めて16試合すべてに先発出場したが、平均獲得ヤードは1キャリー当たり3.7ヤードに止まり初めて平均4.0ヤードを下回った。昨年の怪我の影響からかスピードも低下したように見え、またワイルドキャットフォーメーションからのランプレーもほとんど不発に終わった。

リッキー・ウイリアムスは年齢的な衰えが懸念されたが、それでも159キャリーで673ヤード(平均4.2ヤード)を記録した。ラッシングTD数はわずか2個に終わったが、控えRBとして平均以上の結果を残したと言える。

昨年怪我のためにわずか5試合出場に止まった第3RBパトリック・コブスは16試合すべてに出場したもののランプレーはわずか4キャリーに終わった。パスレシーブでは8回で91ヤードを獲得して2TDパスレシーブを記録したが、2008年シーズンの19回で275ヤード獲得という数字には及ばなかった。

FBルーサカ・ポライトは昨シーズンはNFLベストブロッキングFBと言っても過言ではない内容だったが、今シーズンは大きく落ち込んだ。しかし16試合すべてに出場してキャリア初のTDランを記録した。

 

レシーバー

マーシャルの加入によりドルフィンズのパスオフェンスは向上するものと思われた。しかしいざふたを開けてみればランオフェンスの低下、プレーコールの拙さ、不安定なQBのプレーなどの影響もあり、終わってみれば総獲得レシービングヤード数はNFL16位と平凡な記録に終わった。

3年連続で100回以上のパスレシーブと1000ヤード以上のレシービングヤードを記録していたマーシャルは4試合で100ヤード以上のパスレシーブを記録するなどパスレシーブで1014ヤードを獲得した。しかし足を痛めて2試合を欠場するなどでパスレシーブ回数は86回に止まり、またTDパスレシーブはわずか3回に終わった。

デボン・ベスはスロットレシーバーとして、また3rdダウン時のパスレシーバーとして十分な活躍をし、79回のパスレシーブで820ヤードを獲得して5TDパスレシーブを記録するといういずれも自己最高の成績を残した。

2年目のハートラインはマーシャルに次ぐNo.2 WRとして活躍した。ブラウンズ戦で指を骨折して故障者リスト入りし4試合を欠場したが、11試合の先発を含む12試合に出場し、いずれも自己最高となる43回のパスレシーブで615ヤードを獲得した。また平均パス獲得ヤードはチームトップの14.3ヤードだった。

第2TEのジョーイ・ハイノスがシーズン開幕前に故障者リスト入りしたため、ドルフィンズのTEは実質的にアンソニー・ファサーノひとりとなった。しかしファサーノは15試合に先発出場していずれも自己最高となる39回のパスレシーブ、528レシービングヤード、平均13.5ヤードのパスレシーブを記録、またTDパスレシーブを4つ決めた。

 

オフェンシブライン

今シーズンはオフェンシブラインの先発選手がLTジェイク・ロングとRTバーノン・ケアリーを除いて入れ替わっていた。またシーズン開始前にOTネイト・ガーナー、そしてシーズン中もOGジョン・ジェリー、Cジョー・バーガーとコリー・プロクター、さらにロングとケアリーなど度重なる故障者にも悩まされた。そのことがランオフェンスが低調だった最大の要因となった。

その中でロングはタイタンズ戦では肩を脱臼しながら16試合すべてに先発出場し、ランブロックやパスプロテクションにリーグベストのLTとして実力を発揮した。シーズン終了後にはオールプロに選出され、またプロボウルには3年連続で選出された。

ケアリーは先発RTとしてオフェンシブラインを支えたが、第13週のブラウンズ戦でひざを怪我して残りの試合を全休、ルーキーシーズンから続いていた連続試合出場がストップした。

新加入で先発LGとなったリッチー・インコグニトだったがランブロック、パスプロテクションともに不安定な内容だった。しかしシーズン終盤にはバーガー、プロクター欠場の後を受けてCのポジションをこなしてチームを助けた。

ジェイク・グローブとのポジション争いの結果先発Cの座をつかんだバーガーだったが、ランブロック、パスプロテクションいずれも平均点以下の内容で期待を裏切った。

新人ながら先発RGに抜擢されたジェリーは内臓疾患で4試合を欠場したものの10試合の先発を含む12試合に出場した。しかしプレー内容は新人らしく波があり、控えOGパット・マクイスタンと併用される場面が目立った。

 

ディフェンシブライン

シーズン開始前にDEフィリップ・マーリングが故障者リスト入りし、またNTジェイソン・ファーガソンの出場停止からの引退の影響でのDEランディ・スタークスのNTへのコンバート、さらに開幕戦でのドラフト1巡目指名DEジャレッド・オドリックの怪我による欠場などで不安視されたディフェンシブラインだったが、終わってみればランディフェンスは前年の18位から7位へと大きく向上した。その背景にはこれまで控え選手だったNTポール・ソリアイ、DTトニー・マクダニエルの活躍があった。

ソリアイはオドリックの故障欠場により先発NTを務めざるを得なくなったが、NFLの先発NTとして十分な働きを示して期待を裏切らなかった。39タックルのうち8ロスタックルはチームトップ、さらに2QBサックを記録するなどでディフェンシブラインの中核としての役割を十分果たしたといえる。

またマクダニエルも前年より大きく向上し、控え選手ながら自己最高の36タックル、2.5QBサックを記録し、さらに相手QBのパスをカットする場面もしばしば見られた。

スタークスはNTとしてのプレーに備えてシーズンを迎えたが、急遽DEのポジションに戻ることとなった。しかしそのプレー内容にはほとんど影響がなく、特にランディフェンスに実力を発揮した。その結果、代替出場ながら自身初のプロボウルに選出された。

先発DEケンドール・ラングフォードは自己最高の47タックル、3QBサック、そして2ファンブルフォースを記録するなど堅実なプレーでディフェンシブラインを支えた。

 

ラインバッカー

ジェイソン・テイラー、ジョーイ・ポーター、エイキン・アヨデールなど先発選手をFA等で失ったドルフィンズはダンスビーを獲得するとともにトレードでサンディエゴチャージャースからティム・ドビンス、さらにドラフトでコア・ミーシーなど4選手を指名してラインバッカー陣を再編した。その結果、このラインバッカー陣は新DCマイク・ノーランの指揮の下でディフェンス力の向上に大きく貢献した。

ドルフィンズ2年目のキャメロン・ウェイクは期待に応えて予想以上の活躍、16試合すべてに先発出場して57タックル、3ファンブルフォースを記録、またNFL3位の14QBサックを記録してAFCプロボウルの先発選手に選出された。得意のパスラッシュだけでなく、ランディフェンスについても大きな進歩を見せた。

ダンスビーは移籍1年目ながらキャプテンとしてチームを支え、ランディフェンス、パスカバーに実力を発揮した。最後の2試合をつま先の怪我で欠場したものの、14試合に出場してチーム2位の96タックル、3QBサック、2ファンブルフォースを記録した。

昨シーズンの先発LBのうち唯一残っていたチャニング・クロウダーだったが、怪我のために最初の5試合を欠場した。復帰して11試合に出場したが39タックル、2パスディフェンスと平均的なラインバッカーを下回る成績しか残せなかった。

ドラフト2巡目指名のミーシーは11試合の先発を含む16試合すべてに出場した。新人らしく不安定な面も見られたが41タックルとチーム2位の4.5QBサック、2パスディフェンスを記録した。しかし最後の10試合ではわずか1QBサックに終わった。

ドラフト当日のトレードで移籍してきたドビンスは控えLBの他にスペシャルチーム選手としても活躍した。またクロウダー、ダンスビーが欠場した試合では先発LBも務めるなど6試合の先発を含む16試合すべてに出場し、クロウダーよりも多い47タックルを記録した。

 

セカンダリー

今シーズンのパスディフェンスはNFL8位だったが、インターセプト数はわずかに11個で同28位タイだった。その要因として若いディフェンスバック陣がインターセプトすべきパスを落球することが多かった点があげられる。なかでもCBショーン・スミスはチームで最も多い6つの落球をしている。

そのスミスだが昨年は新人ながら先発CBを務めたが、今年はシーズン開始前から不調でベテランCBジェイソン・アレンに先発の座を奪われた。しかしシーズン後半になると先発に復帰した。

またアレンは開幕時は先発CBの座を獲得したが徐々に力不足を露呈し、シーズン中盤には先発から降格して解雇された。しかしアレンが記録した3インターセプトは結果的にチームトップの成績だった。

もうひとりの先発CBボンテ・デービスはインターセプト数こそわずか1個に止まったが、それは相手QBがデービスがカバーしているところにパスを数多く投げなかったことが要因といえる。数字に表れていないが2年目を迎えて向上し堅実なプレーでパスディフェンスを支えた。

Sイェレマイア・ベルはパスカバーにおいてはやや衰えを見せたが、チームトップとなる101タックルを記録するとともに、ディフェンスバック陣の要として、またチームキャプテンとして貢献した。

2年目のSクリス・クレモンズは先発FSとして14試合の先発を含む15試合に出場して、チーム3位となる60タックルと1.5QBサック、1インターセプトを記録した。

ベテランCBウィル・アレンの故障者リスト入りに伴ってシーズン開始前にトレードでバイキングスから移籍してきたCBベニー・サップはニッケルバックとしてプレーし、チーム2位となる2インターセプトを記録した。

Sレシャッド・ジョーンズとCBノーラン・キャロルは共に新人らしく波のあるプレー内容だったが、いずれも将来性を期待させた。

 

スペシャルチーム

ドルフィンズのスペシャルチームには2人の優れたキッカー、Kダン・カーペンターとPブランドン・フィールズがおり、LSジョン・デニーもプロボウルに選出された。しかしキックオフ、パントのカバーチームの成績はキックオフがNFL29位、パントが同21位と低迷した。プレシーズン中からパントブロックを喫するなど不安な面を見せていたが、レギュラーシーズンに入ってからも内容は向上しなかった。その背景には度重なる選手の入れ替わりがりメンバーを固定できなかったことがある。

カーペンターは10月のAFC月間最優秀スペシャルチーム選手に選出され、またブラウンズ戦ではチーム新記録となる60ヤードのFGを成功させるなどの活躍を見せたが、FG成功率は前年の89.3%から73.2%に落ち込んだ。

フィールズは平均46.2ヤードのパントはNFL4位タイ、また20ヤード以内に決めたパント数は31個、タッチバックとなったパントもわずかに4つと非常に安定したパントキックを見せた。しかし昨シーズンまでなかったパントブロックを2つ決められた。

2010 Game Results