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2008 Game Results

 

 

シーズン総括

2007年シーズン、屈辱的なチーム史上最悪の1勝15敗に終わったマイアミドルフィンズは名将ビル・パーセルズを球団運営副代表として招聘し、チーム再建に着手した。そのパーセルズはGMにジェフ・アイルランド、ヘッドコーチにトニー・スパラノという元ダラスカウボーイズで共に仕事をしてきた人材を登用、さらにアシスタントコーチや選手もダラスカウボーイズから引き抜いてチーム再建をスタートさせた。

4月のドラフトでは全体の第1位でミシガン大学のOTジェイク・ロングを指名したのを始めとしてQBチャド・ヘニー、DEフィリップ・マーリングなど即戦力や将来性のある選手を合計9人指名した。さらにシーズン開始前のトレーニングキャンプ直前にニューヨークジェッツを放出されたベテランQBチャド・ペニントンを獲得してオフェンス部門を強化するとともに、チームリーダーとしての補強を行った。

シーズンが開幕すると初戦でジェッツに惜敗し、第2週にはアリゾナカージナルスに大敗して連敗スタート、やはり再建の道は遠いのかと思われた。

しかし第3週の対ニューイングランドペイトリオッツ戦で秘密兵器のワイルドキャットオフェンスを導入して完勝すると、続く第4週にもサンディエゴチャージャースを破りAFCのスーパーボウル候補チームを次々と撃破、その後また連敗を喫して2勝4敗となったが、第8週の対バッファロービルズ戦から4連勝、さらにペイトリオッツに敗れた後、第13週の対セントルイスラムズ戦から5連勝でレギュラーシーズンを終えた。

特に最終戦となったアウェイでのジェッツ戦では開幕戦でのリベンジを果たして2000年シーズン以来の地区優勝と2001年シーズン以来のプレーオフ進出を決めた。

プレーオフでは初戦でボルチモアレイブンズにミスの連発で大敗したが、前年の1勝15敗から11勝5敗という好成績で終わったことは誰も予想できなかった快挙である。その背景には今シーズンのNFLに革命を起こしたともいえるワイルドキャットオフェンスがあったこともさることながら、ターンオーバーレシオが+17というミスを少なくして相手からボールを奪うという堅実な試合運びが功を奏したといえる。

RBロニー・ブラウン、LBジョーイ・ポーター、そしてLTロングの3人がプロボウラーとなったが、決して選手層は厚いとはいえなかった。しかしHCスパラノの元にチームが一丸となって戦い、その結果地区優勝という結果を残したことはチーム再建1年目としては大成功だったといえるだろう。

以下、それぞれのポジションごとに2008年シーズンを振り返ってみたい。

 

クォーターバック

ジェッツを放出されてドルフィンズと契約したペニントンは先発QBとして、正確なパスとベテランらしい冷静なプレー、そして卓越したリーダーシップでオフェンスを指揮して地区優勝の大きな原動力となった。シーズン通算ではパス476回投中321回成功で自身キャリア最多の3653ヤードを獲得、パス成功率67.4%は1984年シーズンにダン・マリーノが記録した64.2%を抜いてチーム新記録となった。また19TDパスに対してインターセプトはわずかに7つでQBレイティングは97.4を記録した。

レイブンズとのプレーオフではチームのプレーオフワースト記録である4インターセプトを喫して敗れたが、シーズン中の活躍により2006年シーズンに次ぐ2度目のカムバック賞を受賞、また最優秀選手賞の候補となったが惜しくも受賞は逃した。しかし前年1勝15敗のチームを地区優勝にまで導いた功績は最優秀選手賞に十分値するといっても過言ではないだろう。

 

ランニングバック

2007年シーズンにひざの靭帯を損傷しシーズン途中で故障者リスト入りしたブラウンだったが、今シーズンはその大怪我からカムバックして16試合すべてに出場、214キャリーで916ヤードを獲得(平均4.3ヤード)して10TDを記録した。またワイルドキャットフォーメーションの中核を務めてTDパスも1本記録した。その活躍により自身初のプロボウルにも選出された。

リッキー・ウイリアムスは2002年シーズン以来の本格的なNFL復帰のシーズンとなった。160キャリーで659ヤードを獲得(平均4.1ヤード)して4TDを記録した。ブラウンとの併用によりドルフィンズのランオフェンスをささえて地区優勝に貢献した。

第3RBのパトリック・コブスはオフェンスの秘密兵器として要所で活躍した。ランプレーで平均7.3ヤード、1TDを記録、パスレシーブでも平均14.5ヤード、2TDパスレシーブを記録した。

FBルーサカ・ポライトは5試合に先発出場して26キャリーで平均3.8ヤードを獲得した。特に3rdダウン、4thダウンのショートヤードシチュエーションでは確実に1stダウンを更新する安定したランプレーを見せた。

 

レシーバー

今シーズン、ペニントンのNo.1ターゲットとしてエースレシーバー的な活躍をしたグレッグ・カマリロはチーム2位の55回のパスレシーブで613ヤードを獲得、2TDパスレシーブを記録した。第12週の対ペイトリオッツ戦で左ひざを負傷してその後のシーズンを棒に振ったが、それまでの活躍を認められて3年間で総額600万ドルという契約延長を結んだ。

2007年のドラフト1巡目指名選手であるテッド・ギンはチームのエースWRとしての活躍が期待された。いずれもチームトップとなる56回のパスレシーブ、790ヤードを獲得したがTDパスレシーブはわずかに2つと物足りない成績だった。またランプレーでも2つのTDランを決めるなどスピードを生かしたプレーも見られたが、当初の期待よりは物足りない内容だった。

ドラフト外入団の新人WRデボン・ベスは予想外の活躍でチームに貢献した。チーム3位となる54回のパスレシーブで554ヤードを獲得、1TDを記録した。

今シーズンのドルフィンズのレシーバー陣の中でタイトエンドの活躍が大きなウエイトを占めていた。カウボーイズからトレードで獲得したアンソニー・ファサーノは34回のパスレシーブで454ヤードを獲得(平均13.4ヤード)してチームトップの7回のTDパスレシーブを決めた。

またもう1人のTEデビッド・マーチンもベストシーズンとなる活躍を見せた。31回のパスレシーブで450ヤードを獲得(平均14.5ヤード)して3TDパスレシーブを記録、20ヤード以上のパスレシーブも要所で記録した。

 

オフェンシブライン

今シーズンのドルフィンズのオフェンシブラインはドラフト1巡目指名のロングをLTにすえて、FAで獲得したジャスティン・スマイリーをLG、2年目のサムソン・サテールがC、RGにはドラフト6巡目指名の新人ドナルド・トーマス、そして4年目のベテランでかつてのドラフト1巡目指名選手バーノン・ケアリーをRTとする若いラインマンとなった。

シーズン開幕戦でトーマスが故障者リスト入りしてしまったが、代役のイケチュク・エンデュークエが穴を埋めて、ランオフェンスではNFL11位となる118.6ヤードを記録した。またパスプロテクションもNFLで3番目に少ない26回のQBサックしか許さなかった。

第13週の対ラムズ戦でスマイリーが故障して戦線離脱、サテールも2年目のジンクスに陥った中で安定したオフェンシブラインを構築できたことが地区優勝のひとつの要因となったと思われる。

そしてロングはドラフト1巡目指名選手として、ランブロックにパスプロテクションにと期待通りの活躍を見せて代役出場ながらドルフィンズの新人としては1990年のOTリッチモンド・ウェブ以来のプロボウルに選出された。

 

ディフェンシブライン

カウボーイズからNFL12年目のベテランNTジェイソン・ファーガソンをトレードで獲得し、DEに11年目のボニー・ホリデーとドラフト3巡目指名の新人ケンドール・ラングフォードを配置し、さらにドラフト2巡目指名のフィリップ・マーリング、FAで獲得した5年目のランディ・スタークスなど経験のあるベテランと新人を含む若手選手を融合させたディフェンシブラインだったが、ランディフェンスはNFL10位の1試合平均101.2ヤード、そして平均4.2ヤードはNFL16位タイと平凡な記録に終わった。またパスラッシュに関してもディフェンシブラインが記録したQBサックはチーム全体の40個のうちの9.5個と相手チームに対して大きな驚異とはならなかった。

それでもホリデーは46タックル、3.5QBサック、ファーガソンは22タックルと健闘、またラングフォードが31タックル、2.0QBサック、マーリングが26タックル、1QBサックと新人2人もそれぞれ結果を残した。特にマーリングは控えDEながら第17週の地区優勝を決める対ジェッツ戦ではインターセプトリターンTDを決める活躍だった。

またスタークスはファーガソン、ラングフォードのバックアップとして貴重な活躍を見せ、29タックル、3.0QBサック、さらに第3週の対ペイトリオッツ戦ではインターセプトを決めた。

 

ラインバッカー

ドルフィンズ移籍直後の2007年シーズンには大きく期待を裏切ったポーターだったが、今シーズンは自身のベストシーズンともいえる活躍を見せた。パスラッシュの中心として17.5QBサック、4ファンブルフォースはいずれもチームトップ、そして47タックルを記録した。10月には4試合で5.5QBサック、2ファンブルフォースを記録してAFCの月間最優秀守備選手にも選出された。さらに2005年シーズン以来いずれも4度目となるプロボウル、オールプロに選出された。

プロボウルMLBザック・トーマスの後継者としてディフェンスのリーダーとしての活躍が期待されたチャニング・クロウダーはおおむねその役割を果たしたと言っていいだろう。自身のベストシーズンともいえる2008年はひざの怪我で1試合を欠場したとはいえ、チーム2位の114タックルを記録、さらにパスディフェンスも6つを記録した。

前年までのDEからOLBにコンバートされたマット・ロスはほぼ無難にその役割を果たしたと言える。チーム5位の53タックルとチーム2位の5.0QBサック、そして4パスディフェンス、2ファンブルフォースを記録した。しかしポーターの反対サイドのOLBとしてはスピードに欠けてやや物足りなさも残ったシーズンだった。

クロウダーとともに先発ILBを務めたエイキン・アヨデールはチーム3位タイの74タックルと2インターセプト、4パスディフェンスを記録した。

 

セカンダリー

今シーズン開始前に最も不安視されていたのはこのポジションだったのではないか。しかしシーズン後半には向上し、終わってみれば相手QBのパスレイティングをNFLで9番目に低い77.0%に抑え、パス成功率も8番目に低い58.1%に抑えた。しかしその一方でパスディフェンスは1試合平均227.8ヤードでNFL25位、セカンダリーが記録したインターセプト数14はまずまずながら20ヤード以上のロングパスをNFLワースト5位タイの49本も決められた。大きくて強いWRを相手にするともろさを露呈した内容に終わった。

2007年シーズンの開幕戦でアキレス腱断裂の大怪我を負ってシーズンを棒に振ったSSイェレマイア・ベルは今シーズン見事に復活を果たした。セカンダリーの中心選手として16試合すべてに先発出場し、NFLでもトップクラスで、チームトップとなる120タックルを記録した。さらにパスディフェンス10はチーム3位、ファンブルフォースも3つ記録した。

CBウィル・アレンはAFCのベストカバーコーナーバックとしての地位を確立したシーズンであった。パスディフェンス15はチーム2位、50タックルはチーム6位の成績だった。インターセプトはわずかに3つで物足りなさは感じられたが、パスに対するディフェンス技術は証明された。

CBアンドレ・グッドマンは今シーズンのドルフィンズのセカンダリーにあって最も向上した選手ではなかっただろうか。シーズン序盤はしばしばロングパスを許していたが、終わってみれば5インターセプト、19パスディフェンスはいずれもチームトップでNFLでも10位以内に入る内容だった。

NFL8年目のベテラン、レナルド・ヒルは先発FSとしてリーダーシップを発揮し、チーム3位タイの74タックル、3インターセプトを記録した。

その他控えのセカンダリーとしてはニッケルバックでプレーしたネイサン・ジョーンズが最後の5試合で3QBサックと1インターセプトを記録、Sタイロン・カルバーは26タックル、1インターセプトを記録した。

 

スペシャルチーム

Kダン・カーペンターはドラフト外入団の新人でありながら、トレーニングキャンプで2007年シーズンの正キッカーだったジェイ・フィーリーを押しのけて正キッカーの座を奪った。そしてシーズン中は新人らしからぬ安定したキッキングで11月のAFC月間最優秀スペシャルチーム選手に選出された。さらに第14週の対バッファロービルズ戦ではFGを3本連続で決めてNFLの新人記録に並ぶ14回連続FG成功を達成してその週のAFC週間最優秀スペシャルチーム選手にも選出された。FGは25本中21本を成功させて成功率は84%、そしてエキストラポイントは40本すべてを成功させた。

2年目のPブランドン・フィールズは平均43.9ヤードでNFL18位タイという平凡な記録に終わった。しかし20ヤード以内に落としたパントは24本で10位タイ、フェアキャッチとなったパントは15回で7位という成績を残した。

キッカー、パンターが好調だった反面、リターンチームとカバーチームはほとんどすべての記録でNFL最低ランクだった。スペシャルチームの重要性を考慮してFAなどで選手を補強したにもかかわらずパントリターンTDを2本も決められるなど結果を残せなかった。唯一平均以上の記録といえばパントリターンにおいてNFL11位という記録だけだった。

2008 Game Results