2005 Season Review
シーズン総括

2004年シーズンを4勝12敗というチーム史上でも最悪の部類に入る成績で終えたマイアミドルフィンズは、新しいヘッドコーチとしてルイジアナ州立大学を全米王座に導いた実績を持つニック・セイバンが就任した。

コーチ陣を一新し、FAで経験のあるベテラン選手を補強、そしてドラフトで有望な若手選手を獲得した。さらに2004年シーズン開幕前に引退していたRBリッキー・ウイリアムスを復帰させて臨んだ2005年シーズンのドルフィンズのスタートは上々であった。

開幕戦でデンバーブロンコス、第3週にカロライナパンサーズといずれもホームゲームながら実力のある強豪チームを撃破した。しかし10月に入って3連敗、さらに11月にも3連敗を喫するなど、チーム再建への道は厳しいものとなった。特に第11週の対クリーブランドブラウンズ戦では0-22という屈辱的な完封負けを喫してその時点で3勝7敗、最終的に2004年シーズン並みの成績に落ち込むかに思われた。

しかし、第12週のアウェイでの対オークランドレイダース戦に勝利した後、例年苦手とされていた12月の戦いで、第13週の対バッファロービルズ戦、第14週の対サンディエゴチャージャース戦にいずれも逆転勝利を飾るなど4戦全勝、さらに最終第17週の対ニューイングランドペイトリオッツ戦にも勝利し、結局1992年シーズン以来の6連勝で2005年シーズンを締めくくった。

シーズン前半は不安定なオフェンスと反則やミスを連発する試合内容でリズムをつかめなかったものの、後半は反則も減り、オフェンスも徐々に安定感を見せてきて、最終成績9勝7敗はAFC東地区で首位ペイトリオッツに1ゲーム差の2位に終わった。

この成績はチーム再建を目指すドルフィンズにとっては、開幕前の予想をはるかに上回る内容で、HCセイバンの手腕を認識させることになり、同時に来シーズンに向けて大きく期待を抱かせる結果となった。

以下、それぞれのポジション別に2005年シーズンを振り返ってみたいと思う。

 

クォーターバック

シーズンオフにミネソタバイキングスからFAとなっていたベテランQBガス・ファーロットを獲得して、昨シーズンのエースQBだったA.J.フィーリーとで先発QB争いをさせたが、開幕前にファーロットが先発QBに指名され、フィーリーは3番手QBに降格され、後にトレードで放出された。

そのファーロットは開幕のブロンコス戦では2つのTDパスを決める活躍でチームを勝利に導き好スタートを切ったが、その後の不安定なプレーぶりはNFLの先発QBとしては物足りないものであった。また第10週の対ペイトリオッツ戦では右手人差し指を負傷して欠場するなど苦しいシーズンであった。

しかしそれにもかかわらず、最終的にはNFL12年のキャリアで自己最多の18TDパスを決めた。このファーロットの成績はバイキングス時代に共に戦ったOCスコット・リネハンがドルフィンズのOCであったことも影響したと思われる。

今シーズンのファーロットの成績はパス獲得ヤードが2996ヤードで18TD、13インターセプトだったが、これはドルフィンズにとって、殿堂入りQBダン・マリーノが引退して以来の好成績であった。

2番手QBセイジ・ローゼンフェルズはファーロットが欠場した第11週の対ブラウンズ戦に今シーズン初先発を果たしたが、第3Q途中までパス獲得ヤードがわずか14ヤードという悲惨な内容であった。しかし途中出場した第13週の対ビルズ戦では、第4Qに3つのTDドライブを演出してチームを逆転勝利に導き、さらに第15週の対ジェッツ戦でも途中出場して第4Qに2つのTDドライブを演出する活躍を見せた。

 

ランニングバック

ドラフト1巡目指名(全体2番目)でオーバーン大のRBロニー・ブラウンを指名し、さらに引退していたかつてのプロボウラーでリーディングラッシャーのウイリアムスを復帰させた今シーズンのドルフィンズのランオフェンスは相手チームにとって脅威となるはずであった。

事実ブラウンは第3週の対パンサーズ戦でプロ入り初の100ヤードラッシングを記録するなど、最初の11試合では167キャリーで789ヤード(平均4.7ヤード)を獲得した。その後の5試合では怪我で欠場するなどで失速し40キャリーで118ヤード(平均3.0ヤード)獲得に止まり、計907ヤード獲得で1000ヤードにはあと一歩及ばなかったが、オフェンスラインが不安定だったことを考えれれば十分合格点といっていいだろう。また相手ディフェンスのプレッシャーからQBを守るパスプロテクションでも非凡なものを見せた。

またウイリアムスは開幕から4試合の出場停止処分があったため第6週から戦列に復帰した。当初は1年間のブランクを感じさせる内容でランもあまり進まなかったが、最後の2試合では計280ヤードを獲得するなど、最終的に168キャリーで743ヤード(平均4.4ヤード)と実力を発揮した。

 

レシーバー

クリス・チャンバースにとって今シーズンは自己最高のシーズンとなった。シーズン前半はいくつかのパスを落球するなど精彩を欠いていた場面も見受けられたが、後半になって大活躍し、結局終わって見れば82回のパスレシーブで1118ヤード獲得はいずれも自己最多記録、そして11TDパスレシーブは自己最多タイ記録だった。

特に圧巻だったのは第13週の対ビルズ戦で、15回のパスレシーブで238ヤードを獲得してチームの勝利に貢献した。それも含めて後半の8試合では52回のパスレシーブで700ヤード以上を獲得して8つのTDパスレシーブを記録した。さらにその活躍が評価されて自身初のプロボウルにも選出されることとなった。

マーティ・ブッカーは39回のパスレシーブで686ヤードを獲得して3TDパスレシーブを記録した。特に際立った活躍はなかったものの、第2レシーバーとして安定した実力を発揮した。

TEランディ・マクマイケルは開幕から4試合連続でTDパスレシーブを決めたが、例年のごとくシーズン後半になって失速するのは今シーズンも同様だった。結局最終成績は60回のパスレシーブで582ヤードを獲得、TDパスレシーブは5回に止まった。

そしてもう一人、今シーズンのドルフィンズのレシーバー陣の中で大きな収穫はウェス・ウェルカーの存在だった。昨シーズンはほとんどスペシャルチームのみの活躍に終わったが、今シーズンは第3レシーバーとして活躍した。特に3rdダウンの場面で貴重なパスレシーブを決めるなど、29回のパスレシーブで434ヤード(平均15.0ヤード)を獲得した。

 

オフェンスライン

このポジションは今シーズンのドルフィンズにおいて最も向上したポジションといえるだろう。HCセイバンはオフェンスラインの建て直しのためにチャージャースでオフェンスラインコーチを務めていたハドソン・ホウクを招聘した。

シーズン序盤こそ反則の連発で不安定なプレーぶりが目立っていたが、シーズン後半になるに従ってランブロック、パスプロテクションともに徐々に安定感を増していった。最後の2試合でのウイリアムスの連続100ヤードラッシングに貢献するなど、終わって見れば平均4.3ヤードのランプレーを構築するに至った。

さらにパスプロテクションではNFLで4番目に少ない被QBサック数26.0を記録、特に最後の4試合ではわずか6QBサックに抑えた。

 

ディフェンスライン

FAでDTキース・トレイラー、DEケビン・カーター、DEボニー・ホリデーといったベテランを獲得して主にランディフェンスの強化を図ったドルフィンズであったが、その効果は十分あらわれたと言っていいだろう。ランディフェンスは昨シーズンの31位から17位へと大きく向上した。

またパスディフェンスにおいてもディフェンスライン陣は活躍し、QBサック数ではプロボウルDEジェイソン・テイラーの12.0回を筆頭にDEデビッド・ボウエンス、カーターの6.0回、ホリデーの5.0回など、今シーズンチーム記録となった49.0回のQBサックのうち実に35.0回をディフェンスライン陣で記録している。

 

ラインバッカー

守備の要MLBザック・トーマスは今シーズンも安定した実力を発揮して見せた。右肩を脱臼して2試合を欠場したものの、チームトップの166タックル、2QBサック、1インターセプト、4ファンブルフォースの大活躍でプロボウルにも選出された。

もう一人のベテランLBジュニア・セアウはわずか7試合出場で43タックル、1QBサックに止まり、11月24日にはアキレス腱の怪我で故障者リスト入りした。年齢的な衰えもあり引退説もささやかれている。

そのセアウの穴を埋め、トーマス欠場中には見事に代役を果たしたのがルーキーのチャニング・クロウダーだった。最終的にはチーム2位となる90タックルを記録して来シーズンに向けて大きな期待を抱かせた。特に第15週の対ジェッツ戦では肩を痛めて残り試合は出場できないと思われながらもプレーを続けてチームに貢献した闘志は大きく評価されるところである。

 

ディフェンスバック

CBパトリック・サーティン、Sサミー・ナイト、Sアートロ・フリーマンと昨シーズンの先発メンバー3人が抜けたディフェンスバック陣は今シーズンのドルインズにとって一番の大きな穴であった。加えて先発CBとして期待されていたウィル・プールがシーズン開始前に怪我でシーズンアウトとなり、さらに苦しさを増してシーズンに突入した。

サーティンのあとにはベテランCBレジー・ハワードが配置されたがこれが大誤算で、早々にルーキーのトラビス・ダニエルズにポジションを奪われることとなった。そのダニエルズはルーキーらしい不安定な面はあったものの、難しいCBというポジションをなんとかこなしていたという印象だった。チーム5位の62タックルで1インターセプト、さらにパスディフェンスはチームトップの13回という内容は十分合格点だったと思われる。

もう一人のCBサム・マディソンは可もなく不可もなくという内容だったが、第13週の対ビルズ戦ではおよそ2年ぶりのインターセプトを記録して、その試合の勝利に大きく貢献した。最終的にはチーム6位の59タックル、2インターセプトの記録を残した。

セーフティーは共にFAで獲得したランス・シュルターズとテブキー・ジョーンズが務めた。シュルターズはチームトップの4インターセプトを記録した。特に第3週の対パンサーズ戦では試合終盤にインターセプトリターンを記録して決勝点のきっかけを作る活躍をし、その週のAFC最優秀守備選手に選出された。

もう一人のSジョーンズは10月25日に胸部の筋肉を痛めて手術を行い残りのシーズンを棒に振った。その代わりを務めたトラバレス・ティルマンはチーム2位の3インターセプトを記録した。

 

スペシャルチーム

開幕前に2人のベテラン、Pマット・タークとLSエド・ペリーを解雇し、その代わりに起用されたのがいずれも若手のPドニー・ジョーンズとLSジョン・デニーだった。この起用についてはかなり不安視された。特にペリーに関しては3月に5年間の再契約をしたばかりだった。

しかしシーズンを通して見ると、ジョーンズもデニーもほとんど無難にこなしていたと言っていい内容だった。特にジョーンズに関しては、平均43.5ヤードのパントでネットヤードではNFLトップの39.3ヤードを記録した。また88回のパントの内20ヤード以内に蹴り込んだパントが31回もあった。

そして今シーズンのスペシャルチームで一番安定感があったのがKオリンド・マレーだった。FGは30回中25回成功で成功率83%、特に40ヤード以上のFGは8回中7回成功という素晴らしい内容だった。

昨シーズン大活躍したウェルカーは今シーズンはやや物足りない成績に終わった。キックオフリターンでは平均22.6ヤード、パントリターンでは平均9.1ヤードと平均的な数字に終わり、いずれもリターンTDを記録することが出来なかった。

 

2005 Game Results