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    2004 Game Results    
         

シーズン総括

2004年シーズンのマイアミドルフィンズは、シーズン開幕前からトラブル続きであった。

まず1月に元QBのダン・マリーノがチームの副代表に就任したものの、わずか2週間後には突然辞任してしまった。さらに、5月には新しくオフェンスコーディネーターに就任していたジョエル・コリアーが健康上の理由で前職のランニングバックコーチに復職し、その代わりにタイトエンドコーチとして新しくチームに加わったクリス・フォースターがオフェンスコーディネーターを務めることとなった。

さらに極めつけは、オフェンスの核として期待していたRBリッキー・ウイリアムスがサマーキャンプ直前に突然の引退、そしてトレードで獲得したWRデビッド・ボストンはキャンプイン直後に左ひざの怪我でシーズンアウトとなった。

緊急事態に陥ったドルフィンズは、シーズン開始前にトレードでシカゴベアーズからWRマーティ・ブッカー、セントルイスラムズからRBラマー・ゴードンを獲得して戦力補強を図ったが、その場しのぎ的な選手起用ではオフェンスのシステムは機能しなかった。

加えて昨シーズンと比べてメンバーのほとんどが入れ替わったオフェンスラインではランブロック、パスプロテクションとも思うようにいかず、さらにオフェンスの司令塔であるQBについても、トレードでフィラデルフィアイーグルスから獲得したA.J.フィーリーと昨シーズンまでの正QBジェイ・フィードラーがともにエースQBとしての信頼性と確実性を発揮することができなかった。

その結果、オフェンスのカテゴリーが軒並みリーグワーストクラスで開幕から連敗を重ね、第6週を終了した時点での成績は0勝6敗となり、NFLで唯一の全敗チームとなった。

その後、第7週の対ラムズ戦で今シーズン初勝利をあげたものの第8週の対ニューヨークジェッツ戦、第9週の対アリゾナカージナルス戦に連敗し、その直後にHCデーブ・ウオンステッドが成績不振の責任をとる形で辞任した。

ウオンステッドの後を受けてディフェンスコーディネーターのジム・ベイツが暫定HCに就任した。ベイツHCにとっての初戦となった対シアトルシーホークス戦には惜敗したものの、その翌週の対サンフランシスコ49ers戦には勝利し、さらに第15週には昨シーズンのスーパーボウル王者であるニューイングランドペイトリオッツに逆転勝利を飾るなど、チーム力は向上していった。

ベイツHC指揮の下では3勝4敗の成績に終わったが、負けた4試合はいずれも10点差以内の接戦で、うち3試合は1TD差以内での惜しい敗戦だった。

最終的には4勝12敗という結果に終わり、チームにとっては1988年シーズン以来の負け越しを記録、また1966年のチーム創設以来最悪の結果に終わってしまった。その背景には確かにオフェンスの核を失い、度重なる主力選手の怪我による欠場という不運はあったものの、チーム自体がフィジカル、メンタルの両面で弱体化してきていたという事実も否定できなかった。

以下、それぞれのポジション別に2004年シーズンを振り返ってみたいと思う。

 

クォーターバック

フィードラーかフィーリーか……2004年シーズンを迎えるにあたってのドルフィンズの課題の一つがこれだった。過去4シーズン、正QBとしてチームを指揮してきたフィードラーは勝率こそ現役QBの中でもトップクラスだったが、ここ一番での試合に勝てず正QB失格の烙印を押されつつあった。そして新しい正QBとしての期待を込めて獲得したのがフィーリーだった。

しかし、フィーリーは正QBとしての決定的な要素を発揮することができず、またフィードラーがベテランらしい安定感を示したことで、両者の差はまったくと言っていいほど見ることはできなかった。その結果HCウオンステッドは開幕戦を迎えるにあたって、フィードラーを正QBに指名した。

だが、この決定があいまいなものだったことを証明するかのように、開幕戦の対テネシータイタンズ戦で、HCウオンステッドはフィードラーが不調だと見ると後半開始からフィーリーを起用するという場当たり的な決断をしてしまった。

結果、フィーリーは第2週、3週と先発したものの、経験不足からくるミスを連発して信頼を失い、第4週からは再びフィードラーが先発QBとしてプレーすることとなった。しかしそのフィードラーもチームの不振を自らの能力だけで打開することはできず、第9週のカージナルス戦で首を痛めて欠場し、後日故障者リスト入りして今シーズンのプレーを終えた。

その後フィーリーはベイツHCとなってから正QBに指名されて時折素晴らしい内容を示して期待を持たせたものの、やはり強烈なインパクトを残すにはいたらなかった。しかし、フィーリーのひたむきなプレースタイルはチームメイトから多くの信頼を得た。

結局フィーリーは15インターセプト、10ファンブルを犯すなどQBレイティングは61.7に終わり、NFLの先発QBとしては最悪の結果に終わった。フィードラーも8インターセプトを記録し、第3QBのセイジ・ローゼンフェルズと合わせるとチームの被インターセプトはNFL最多の26を数え、加えて8つのインターセプトリターンTDを献上してNFLワースト記録を更新してしまった。

 

ランニングバック

トラビス・マイナー、サミー・モリス、レオナード・ヘンリー、ラマー・ゴードン、ブロック・フォージー……今シーズンのドルフィンズは過去に例を見ないほど多くのRBが登場した。エースRBウイリアムスを失ったことはチームに大きな影響を及ぼし、その結果、ドルフィンズのランオフェンスはNFL31位に終わった。

チームのリーディングラッシャーとなったモリスは132キャリーで523ヤード獲得で6TDランを記録したが、本来モリスはFBロブ・コンラッドの控えとして獲得した選手で、これを見てもいかに他のRBが走れなかったかということがわかる。

エースRBとして期待されたマイナーはプレシーズンゲームからまったくの期待外れで、さらにシーズン開始直後から怪我で満足にプレーできず、結局わずか109キャリーで388ヤード獲得、3TDランに終わった。

またシーズン開始直後にラムズから獲得したゴードンは、オフェンスのプレーブックも理解できないうちに酷使され、挙げ句に第3週の対ピッツバーグスティーラーズ戦で怪我をしてシーズンを終わってしまった。

 

レシーバー

期待されたボストンが結局まったくプレーできず、WR陣もかなりの戦力ダウンが予想された。事実エースWRのクリス・チャンバースは相手チームからのマークをかなり受けていた場面もあった。しかし、69パスレシーブは自己最多、そして総獲得ヤードは898ヤードと期待された1000ヤードパスレシーブはならなかったものの、4試合で100ヤード以上のレシーブを獲得して、QBが不安定な中でチームトップの7TDをあげてエースWRとしての実力を発揮した。

ボストンの穴を埋めるべく期待されたブッカーだったが、最終的には50パスレシーブで638ヤード獲得、1TDパスレシーブの平凡な記録に終わった。しかし、開幕直前にチームに加わってオフェンスに順応しきれない中でベテランらしさを発揮し、また今シーズンのチームの初勝利を記録した第7週のラムズ戦ではロングパスも決めるなど器用なところも見せた。

第3WRのデリアス・トンプソンは2度の先発出場を含めて16試合すべてに出場し、23パスレシーブで359ヤード獲得、4TDパスレシーブに終わった。しかし、第15週のペイトリオッツ戦では残り試合時間1分29秒、4thダウン残り10ヤードという追いつめられた場面で、21ヤードの逆転TDパスレシーブを記録する活躍が光った。

TEランディ・マクマイケルはシーズン当初から不振のオフェンスにあってひとり気を吐き、チームの精神的支柱の役割を果たしてきた。シーズン終盤はやや精彩を欠いていた場面もあったが、それでもチームトップの73パスレシーブと2位の791ヤードパスレシーブを記録、またその両方とも1994年シーズンにキース・ジャクソンが記録したTEとしてのチーム記録を更新する活躍だった。

 

オフェンスライン

今シーズンのドルフィンズにとってオフェンスラインの再構築は一つの課題であった。昨シーズンの先発メンバー5人のうち開幕を迎えて残っていたのはLTウェイド・スミスのみ、その他はCセス・マッキニー、RGテイラー・ホイットレーといったほとんど経験のない若手選手、そしてLGジェノ・ジェームス、RTジョン・セントクレアといった移籍組で構成されていた。

この寄せ集め的なオフェンスラインがオフェンス低迷の大きな原因となったのは言うまでもないだろう。それはランオフェンスが31位に終わったことが物語っている。その他に平均のラン獲得ヤード、ランによる1stダウン数がいずれも32位に終わったように、ランブロックで非常なもろさを露呈した。

パスプロテクションにおいても、NFLで2番目に悪い被サック数(52回)を数え、またNFL最悪の26回の被インターセプトを記録したこともこのオフェンスラインの影響が大きかった。さらにQBフィードラー、フィーリーをともに上手く守ることができず、挙げ句に最終週の対ボルチモアレイブンズ戦を迎えるにあたって、いずれも負傷によりプレーできないという結果を招いた。

期待されたドラフト1巡目指名のバーノン・ケアリーはまったく使いものにならず、またシーズン前にひざの手術をしたLTダミオン・マッキントッシュを十分なコンディションでないまま起用せざるを得ないなど苦しい状況だった。

 

ディフェンスライン

今シーズンのドルフィンズはランディフェンスがNFL31位と低迷した。その大きな要因となったのがこのディフェンスライン、特にDTティム・ボウエンスとラリー・チェスターであった。ボウエンスは背中の痛みのために開幕から欠場し、第6週の対バッファロービルズ戦で一時復帰したものの、翌週のラムズ戦の試合途中から欠場して、結局故障者リスト入りしてしまった。またチェスターの方は第2週の対シンシナティベンガルズ戦でひざを痛めて欠場、こちらもその後に故障者リスト入りしてしまった。

先発DT二人を欠いたドルフィンズのディフェンスラインは控えのダリオ・ロメロ、ジェフ・スカニーナ、そして本来DEであるブライアン・ロビンソンがDTを務めたがやはり相手チームのランに苦しめられた。結果、昨シーズン一人も許さなかった100ヤードラッシャーを今シーズンは10人も許してしまった。

またDEは昨シーズン14サックを記録してプロボウルにも選出されたアデワール・オグンリエが移籍し、その代わりに先発を務めたのがデビッド・ボウエンスだったが、チーム2位の7サック、51タックルを記録して健闘した。

もう一人のDEジェイソン・テイラーは9.5サック、88タックルと数字こそ平凡な記録に終わったが、やはりパスラッシャーとしての存在感は大きく、16試合すべてに先発出場し、しばしば相手QBを苦しめた。今シーズンのドルフィンズにあって唯一プロボウルに選出されたのでもその活躍は証明されるところだろう。

 

ラインバッカー

ディフェンスラインのランディフェンスが不十分だった分、ラインバッカーにかかる負担は大きかったと思われる。事実、ザック・トーマスとジュニア・セアウはともに怪我のために数試合欠場した。特にセアウの方は第8週の対ニューヨークジェッツ戦で胸部を痛めて故障者リスト入りし、残りのシーズンを棒に振った。年齢的に見てもこのまま引退してしまう可能性もある。

トーマスは3試合欠場ながらチームトップの168タックル、2サックを記録し、プロボウルのリザーブ選手にも登録されるなど、今シーズンもディフェンスの要としてランブロックにパスカバーに活躍した。開幕戦のタイタンズ戦では19タックルを記録するなど、出場した13試合のうち11試合で二桁のタックル数を記録した。

もう一人の先発LBモーロン・グリーンウッドはトーマス、セアウの陰に隠れてあまり目立たないが、4年目を迎えた今シーズンは16試合すべてに先発出場し、チーム2位の133タックルを記録するなど素晴らしいラインバッカーに成長した。

トーマス欠場中にMLBを務めたのがドラフト7巡目指名のデリック・ポープだった。第12週の対サンフランシスコ49ers戦ではプロ初サックを記録すると同時に、ファンブルリターンで初TDも記録した。また第14週の対デンバーブロンコス戦ではチームトップの14タックルを記録するなどルーキーながら非凡な活躍をみせた。

 

ディフェンスバック

今シーズンのドルフィンズのパスディフェンスはNFL2位で、相手チームに対して1試合平均162.0ヤードしか許さなかった。1位のタンパベイバッカニアーズが1試合平均161.2ヤードだから、もうほぼNFLベストといっても良い数字であろう。

その原動力となったのがディフェンスバック陣、特に先発メンバーのうちCBパトリック・サーティンとサム・マディソン、Sサミー・ナイトはいずれもプロボウル経験者、そしてもうひとりの先発Sアートロ・フリーマンは5年目にしてレギュラーに定着した。さらにカロライナパンサーズで先発を務めていたCBのレジー・ハワードとドラフト4巡目指名のウィル・プールなど多彩な顔ぶれだった。

ただ、インターセプトは15回(リターンTDはなし)しか記録できずNFL19位に終わった。このあたりが確かにパスディフェンスはよかったが、ビッグプレーでチームに勢いを引き寄せるという部分では物足りないものだった。

サーティンはチームトップタイの4インターセプト、71タックルを記録してプロボウルの候補にあげられるなど安定した実力を発揮した。またディフェンスバックの要、ナイトはチーム3位の127タックル、そしてトップタイの4インターセプトを記録した。

マディソンは年齢的に衰えたのか遂に今シーズンはインターセプトが0に終わった。しかし16試合すべてに先発出場して58タックル、8パスディフェンスを記録した。

ルーキーのプールは先発1試合を含む15試合に出場して37タックル、1サックを記録した。ルーキーらしい不安定さはあったものの、そのプレーぶりには大きな将来性を感じさせた。

 

スペシャルチーム

ある意味今シーズンのドルフィンズにおいて一番光ったポジションだといえるだろう。その筆頭がサンディエゴチャージャースを解雇されて9月21日にチームに加入したドラフト外ルーキーのウェス・ウェルカーであろう。

ウェルカーはキックオフリターンが平均23.0ヤードでAFC7位、パントリターンが平均10.8ヤードでAFC2位(NFL5位)と好成績を残した。そして第15週のペイトリオッツ戦ではあわやリターンTDかと思われた71ヤードのパントリターン、さらに最終週のレイブンズ戦ではチーム史上15年ぶりとなる95ヤードのキックオフリターンTDを記録した。またウェルカーが記録したパントリターン464ヤードはチーム新記録となった。

さらに第5週のペイトリオッツ戦では、試合前に怪我をした正Kオリンド・マレーに代わってキッカーを務め、29ヤードのFGとエクストラポイント1本を決めてその週のAFC最優秀スペシャルチーム選手に選出されるなど、まさにスペシャルチームとして大きく貢献した。

その他Pマット・タークは非常に安定したプレーで、98回のパントのうち29回を20ヤード以内に決めて見せた。これはNFL1位の成績だった。そして相手チームのリターンを平均5.7ヤードに止める好パントを蹴ったが、これはAFCトップ(NFL2位)の成績だった。
キックオフリターンのカバーチームも安定しており、平均23.1ヤードはNFL8位の成績だった。

マレーは怪我で5試合を欠場した。結局今シーズンはFG16本中12本成功、エクストラポイント18本中18本成功で54ポイントに終わった。

 
 
2004 Game Results