2002 Season Review

シーズン総括

ドルフィンズにとって、長年の懸案だったランニングプレーの強化のため、オフシーズンに超大物RBリッキー・ウイリアムスをニューオーリンズセインツとのトレードで獲得しました。そしてオフェンス強化のために新しいOCとしてノーブ・ターナーを迎え、これによってドルフィンズは一躍、スーパーボウルに最も近いチームとして注目を浴びてシーズン開幕を迎えました。

その周囲の期待どおりに、ドルフィンズは開幕から絶好調、さらにウイリアムスもマイアミに来て、まさに水を得た魚の如く、セインツ時代には見られなかったような働きでチームの勝利に貢献しました。

もともと安定したディフェンスを持っていたドルフィンズは、オフェンスが向上したことによりチームのバランスがとれ、開幕6試合で5勝1敗の好成績を残して優勝候補筆頭の実力を見せつけました。

しかし、第6週の対デンバーブロンコス戦で、試合には勝ったとはいえ、エースQBのジェイ・フィードラーが右手親指を骨折してから状況は一変、控えQBのレイ・ルーカスに代わってから3連敗を喫するなど、第13週を終わった時点で7勝5敗の成績、かろうじて地区首位にはとどまっていたものの、スーパーボウルはおろか地区優勝すらも不安視されました。

ただ第14週にフィードラーが復帰するとそこからチームは連勝、特に第15週の対オークランドレイダース戦にはすばらしい内容で快勝して、ホームフィールドアドバンテージを獲得してプレーオフに進出という大きなチャンスを得ました。

しかし、第16週にはアウェイでの試合ながら格下のミネソタバイキングスに惜敗、さらに勝てば地区優勝という最終第17週の対ニューイングランドペイトリオッツ戦では、終盤までリードしながらオーバータイムに持ち込まれてまさかの逆転負け、プレーオフに進出することすらもできませんでした。

フィードラーの欠場が大きく響いたとはいえ、例年になく浮き沈みの激しいシーズンで、特にアウェイのゲームで2勝6敗と弱さを露呈しました。

オフェンス、ディフェンスともに前年より向上し、リッキー・ウイリアムスはリーディングラッシャー、DEジェイソン・テイラーはサックリーダーとなり、さらにこの二人を含む6人のプロボウラーを輩出したにもかかわらずプレーオフに進出できなかったという背景には、やはりここ一番での勝負弱さがあったと思います。

 

クォーターバック

フィードラーは開幕から昨シーズンと同じく、派手さはないものの堅実なプレーでチームを勝利に導きました。特に第6週のブロンコス戦では試合終盤、右手親指を骨折しながら逆転勝利を演出したプレーは見事で、チームリーダーとしての存在感も見えたと思います。欠場するまでの6試合ではTD9つに対してインターセプトは6つ(そのうち4つは敗れたカンサスシティチーフス戦で記録)と好調だっただけに1ヶ月以上も欠場してしまったのはフィードラー自身にとっても非常に残念だったことと思います。

シーズン前にはプロボウル級の活躍も予想されるなど大いなる飛躍を期待されたフィードラーでしたが、復帰後はやはり怪我の影響があったのかパスの精度やスピードにやや難があったと思います。しかしそれにもまして一番大きかったのはパスターゲットであるWRのうちオロンデ・ガズデンの欠場でしょう。ガズデンがいなかったためにここ一番でのパスターゲットに苦労していたと思います。

レイ・ルーカスはフィードラー欠場の後、非常に期待されたんですが、思うようなプレーができず全くの期待はずれに終わりました。特に初先発となった第7週の対バッファロービルズ戦から3連敗、その間の成績がTD2つに対してインターセプトが6つ、自身のファンブルも含めるとターンオーバーが9つとさんざんな内容でした。プレーシーズンゲームでの好調さからはほど遠く、結局先発した6試合では2勝4敗、これが今シーズンのドルフィンズにとっては大きな誤算だったでしょう。

 

ランニングバック

リッキー・ウイリアムスは期待以上の成績を残したと思います。開幕から3試合連続で100ヤードラッシングを記録し、第13週のビルズ戦、14週のベアーズ戦とNFL史上4度目の2試合連続200ヤードラッシング、さらに第11週の対ボルチモアレイブンス戦から5試合連続100ヤードラッシングを記録するなどチーム記録を次々と更新し、結局トータルで1853ヤードを走りNFLのリーディングラッシャーに輝きました。怪我で欠場することもなくウイリアムスにとってはまさにベストシーズンだったといえるでしょう。

自身初のプロボウルにも選出され、その試合でもMVPに輝くなどまさにウイリアムスにとっては記録ずくめのシーズンだったんですが、来シーズン以降もこの活躍を維持して、今度こそチームをスーパーボウルに導いていってほしいものです。

今シーズン奇跡的なカムバックを遂げたロバート・エドワーズは開幕の対デトロイトライオンズ戦でランとパスレシーブで2TDをあげるなど要所でいい活躍を見せてくれました。シーズン後半はほとんどプレーの機会もなかったんですが、選手生命絶望といわれ4年間のブランクがありながら見事な復帰を果たしました。

FBロブ・コンラッドはターナーのオフェンスではパスレシーブの機会が増えてくると思われましたが、それほど大きな武器にはなり得ませんでした。しかしリッキー・ウイリアムスのランを助けるブロックではいい働きを見せていたと思います。

 

レシーバー

昨シーズン、ルーキーで大活躍したクリス・チャンバースは今シーズンは相手チームのマークが厳しかったこともあるでしょうが、成績としてはやや期待はずれに終わりました。それでも第15週のレイダース戦では7キャッチで138ヤードを獲得する活躍を見せるなど、チームのエースレシーバーに成長しつつあります。あとはチームにもう一人能力の高いレシーバーがいれば、チャンバースももっと実力を発揮できると思うし、シーズン1000ヤードレシーブも十分に可能だと思います。あとはTDパスレシーブの数が増えてくれば言うことないですね。

ガズデンは今シーズンも定評のあるパスレシーブでチームに貢献しました。特にサードダウンでのパスターゲットとしては最適のWRといえるでしょう。しかし肩を手術して第7週以降のシーズンを欠場してしまったことはチームにとっては非常に大きな痛手となったと思います。

そのガズデン欠場の穴を埋めるべく期待されて現役復帰をしたクリス・カーターですが、やはり思うようなプレーができませんでした。加えて復帰して1試合に出場しただけで腎臓疾患でまた欠場と全く不安定な状態でした。それでも第14週のベアーズ戦から本格的に試合に出場し、第15週のレイダース戦では芸術的なTDパスレシーブを見せてくれました。結局5試合に出場して8回のパスレシーブで66ヤード獲得、1TDに止まり、ガズデンの穴を埋めるべき活躍はできませんでした。

ジェームス・マクナイトはシーズン当初はターナーのオフェンスの構想から外れてほとんどWRとしてプレーする機会がありませんでした。それでもガズデン欠場の第7週以降は先発WRとして要所で貴重なパスレシーブを記録するなどチームの勝利に貢献しました。しかしやはり相手チームを脅かすほどの強力な戦力とはなり得ませんでした。

ルーキーTEランディ・マクマイケルは期待以上の活躍を見せてくれたと思います。特にシーズン前半はフィードラーのパスターゲットとして活躍しTDパスレシーブが目立ちました。後半はやや疲れが見えたのと相手チームのマークが厳しくなったということでTD、レシーブヤードとも激減したんですが、パスキャッチの巧さとタックルを振り切るパワーは来シーズン以降大きく期待が持てると思います。

 

オフェンスライン

『いいオフェンスラインはいいランニングバックが作る』これはリッキー・ウイリアムスの言葉なんですが、今シーズンのドルフィンズのオフェンスラインはまさにこの言葉がぴったりだったように思います。ウイリアムスのランとの相乗効果でオフェンスラインも向上したと思います。

その中でも一番の驚きはGジェイミー・ネイルズでしょう。彼のパワフルなランブロックは何度もウイリアムスのランプレーを助けました。第15週のレイダース戦でアキレス腱を負傷して残り2試合を欠場してしまったのは残念でしたが、来シーズン以降もランブロックの中核として活躍してくれることでしょう。

あと今シーズンはLTとしてプレーしたマーク・ディクソンは無難にプレーをしていましたし、RTトッド・ウェイドはあまり目立たなかったんですが、ランブロックに巧さを発揮していたと思います。

ウイリアムスの加入も大きかったと思いますが、昨シーズン23位だったランオフェンスが今シーズンは2位にまで向上した原因の一つには、やはりオフェンスラインの活躍がなければ為し得なかったことでしょう。

 

ディフェンスライン

今シーズンのディフェンスラインは近年になく好調だったと思います。その原因の一つはやはり大きな故障者が出なかったことではないでしょうか。

その中でDEアデワール・オグンライの存在は非常に大きかったと思います。特にパスラッシュで活躍してくれたために、逆サイドのジェイソン・テイラーの存在がさらに光り、結果的にテイラーは18.5サックを記録してNFLのサックリーダーに輝きました。オグンライ自身も9.5サックを記録する活躍で、来シーズン以降もパスラッシュでは威力を発揮してくれそうです。

そのテイラーですが、今シーズンのディフェンスのMVPは彼をおいて他にはないでしょうね。惜しくもNFL全体のディフェンスMVPは逃しましたが、それに匹敵する大活躍でした。10月、11月には2ヶ月連続で月間最優秀守備選手に選出されるなど対戦相手のQBにとっては彼の存在はまさに脅威だったことでしょう。

DTは2度目のプロボウルに輝いたティム・ボウエンスと新加入のラリー・チェスターが好調、これに控えのジャーメイン・ヘイリーを加えた3人のローテーションがランストッパーとして活躍しました。昨シーズン17位だったランディフェンスが今シーズン5位まで向上した原因はこの3人の働きが大きかったといえるでしょう。

 

ラインバッカー

ドルフィンズのラインバッカーといえばザック・トーマスの存在が非常に大きいんですが、今シーズンもチーム最多の195タックルと大活躍でした。トーマスに関してはやや過大評価されているんじゃないかという声もあるんですが、4年連続でプロボウルにも選出されていますし、もともと身体的には恵まれていないんですが素晴らしい選手だと思います。やはりドルフィンズのディフェンスの中核をなす選手ですから欠かせない存在です。今シーズンは終盤にきての怪我もなかったんですが、それが安定したランディフェンスをキープできた一つの理由だったと思います。

OLBデリック・ロジャースとモーロン・グリーンウッドは可もなく不可もなくといったところでしょうか、シーズンを通してあまり目立ちませんでした。ただ、ドルフィンズのシーズンオフの補強ポイントとして毎年のようにラインバッカーがあげられています。ロジャースとグリーンウッド、この二人はそこそこいい選手で平均点以上の能力は持っていると思いますが、もう一つインパクトに欠けるところがあります。このポジションにもう少しインパクトの強い選手が加わればザック・トーマスももっと生きてくるでしょうし、さらに強力なランディフェンスが構築できるでしょう。

 

ディフェンスバック

今シーズンのパスディフェンスはリーグ3位だったんですが、負けた試合では大事なところでパスでやられたという印象が結構ありました。しかし、CBパトリック・サーティンとFSブロック・マリオンはプロボウルに選出されましたし、もう一人のCBサム・マディソンもプロボウル経験者です。プロボウル級の選手が3人いるんですからディフェンスバックとしては超一流でしょう。

その中で今シーズン初のプロボウルに選出されたサーティンはチームトップの6インターセプトを記録しました。昨シーズンなどもプロボウルに選ばれてもおかしくないほどの実力でしたから当然の結果ともいえるんですけどね。それに加えてランディフェンスにも非凡なものがありました。

マディソンは今シーズンはあまり目立ちませんでしたが、時折緩慢なプレーも見受けられました。しかしパスカバーは素晴らしいものがありましたし、彼の存在があるから反対サイドのサーティンが生きるんであって、来シーズンは逆のパターンになるかもしれませんし、やはりなくてはならない存在ですね。

マリオンも素晴らしかったです。ある意味ディフェンスバックの中心的存在で、インターセプトもチーム2位の5つ、またタックルも多くてこれもチーム2位の109タックルとパスカバーにランストップによく働きました。

3年目のSアートロ・フリーマンは今シーズン初のレギュラーとして全試合に出場しました。あまり目立った活躍はなかったものの、チーム3位の96タックルなどそつなく無難にこなしていたという印象でしょうか。来シーズンは更なる飛躍を期待したいと思います。

そしてディフェンスバック陣の中である意味一番目だった選手といえば2年目のCBジャマー・フレッチャーでしょう。今シーズン第3CBとして期待されていたんですが、シーズン序盤から反則などミスを連発、相手チームからも狙われてフレッチャー自身もかなり苦しんだんじゃないでしょうか。しかし試合を重ねるに従ってそのプレー内容もよくなり、シーズン後半はいい働きを見せていたと思います。ただ、最終週のペイトリオッツ戦では大事なところで反則を犯してしまいました。しかしこの経験が来シーズンには必ず生きてくると思いますので、これからのフレッチャーの活躍に対しては大いに期待したいと思います。

 

スペシャルチーム

今シーズンのスペシャルチームですが、キッキングゲームのカバーリングなどは例年通り素晴らしいものがあり、キックオフ、パントにおけるリターンTDを一つも許しませんでした。ただ、逆に自軍もキックオフ、パントにおけるリターンTDを記録できなかったというのは弱いところではありました。

Kオリンド・マレーは今シーズンは失敗も多く(FG成功率77.4%)残念な結果に終わりました。シーズン序盤はホールダーであるPマーク・ロイヤルズとの呼吸が合っていないということも言われていましたが、失敗を連発していました。第6週のブロンコス戦では劇的な逆転FGを決めたんですが、その他には目立ったものはありませんでしたね。ただ、実力のあるキッカーですので来シーズンはまた安定したキッキングを見せてくれるものと期待しております。

Pロイヤルズはドルフィンズでは初のシーズンですがプロ14年目のベテラン、やはり年齢的な衰えがあるんでしょうか、ほとんどいいプレーを見ることがありませんでした。最終週のペイトリオッツ戦ではある意味敗戦の原因となるミスパントを犯してしまいました。もう少しベテランらしい堅実なプレーを期待したんですが残念な結果でシーズンを終わってしまいました。

その他キック、パントのリターナーとしては2年目のアルバート・ジョンソンが期待されていたんですが、シーズン序盤で怪我をしてしまい欠場、その後を引き継いだトラビス・マイナーはキックオフリターンで平均23.3ヤードのリターンを見せてまずまずいいプレーを見せてくれました。またパントリターンはロバート・ベイカー、デドリック・ワードなどが努めましたが、あまりインパクトはなかったですね。チームにとってはこのポジションでリターンTDを奪えるような生きのいい若手選手が出現してくれたら大きな戦力になるだけに、来シーズンはなんとかいい選手に出てきてもらいたいものです。