2001 Season Review
シーズン総括

2000年シーズンにHCデーブ・ウオンステッドのもと11勝5敗の成績でAFC東地区を制したドルフィンズは、2001年シーズンはさらなるステップアップが期待されました。

しかしシーズンを通して主力選手の故障に悩まされ、加えてチーム全体がインターセプト、ファンブルなどターンオーバーを連発し常に苦しい試合展開を強いられました。しかも地区優勝をしたことで対戦相手も強い相手が多く、スケジュールも厳しかったと思います。

それでもチームは安定したディフェンスとここ一番の勝負強さを見せて、最終的には前年と同じく11勝5敗の成績を残しました。惜しくも2年連続の地区優勝はならなかったものの、リーグで唯一の5年連続プレーオフ進出を達成したことは、チーム全体が一丸となってシーズンを戦い抜いた結果だと思います。

プレーオフではまたしても一方的な敗戦を喫しましたが、多くの故障者を抱えながらのプレーオフ進出は十分評価に値する内容でしたし、成績としては上出来だったんじゃないでしょうか。

来シーズンに向けて課題はいろいろありますが、ドラフトで獲得した新人の活躍など明るい材料もありました。来るべき2002年シーズンはプレーオフを勝ち抜ける強いチームに成長してもらいたいと思います。

 

オフェンス部門

今シーズンのドルフィンズは、FAでジェームス・マクナイトとデドリック・ワード、ドラフトでクリス・チャンバースの3人のスピードのあるWRを獲得し、昨シーズンまでなかったディープゾーンのパスプレーでオフェンスの強化を図りました。これに関しては新人WRチャンバースの予想以上の大活躍などもあって、パスプレーの向上については一定の成果が現れたと思います。

そのチャンバースですが、シーズン中盤にはQBジェイ・フィードラーとの息も合ってきて、第9週のコルツ戦、第11週のビルズ戦ではいずれも第4Qに逆転のTDパスキャッチを決めるなど2TDずつをあげ、第13週のコルツ戦でも芸術的な2TDパスキャッチを決めるなど、シーズントータルで7TDパスキャッチを記録、また平均パス獲得ヤードは新人ながらリーグトップの成績で、一時は新人賞の第1候補ともいわれました。

第17週のビルズ戦で足を負傷し惜しくもプレーオフ出場はなりませんでしたが、間違いなく今シーズンのオフェンス部門のチームMVPはチャンバースでしょう。来シーズンはチームのエースレシーバーとして、またドルフィンズにとっては久々の1000ヤードレシーバーの誕生を期待できると思います。

その他のWRに関しては、ワードはパスキャッチは少なかったものの要所での活躍は光りました。ただ当初期待されていたスピードという点では今一つだったようで、むしろミドルパスなどが多かったようです。

またマクナイトについては、時折いいプレーは見せてくれましたが、全体的に期待していたよりは成績は伸びず、それどころかパスキャッチなどにおけるボールハンドリングの悪さが気になりました。落球やファンブルなどが目立っていましたので、このあたりは来シーズンに向けて改善してほしいところです。

そしてQBフィードラーですが、今シーズンは大きな故障もなく全試合先発出場を果たしたんですが、インターセプトを喫することが多かったですね。中にはフィードラーの責任とは言い難いものもありましたが、ダブルカバーされているWRにパスを投げたりということがかなりありました。しかしシーズン後半の7試合ではTDパス11に対してインターセプトは4つ(そのうち3つは完封負けした49ers戦で犯した)ですので、経験を積んで欠点を修正できたことはいいことだと思います。

今シーズンのフィードラーについては評価が分かれるところだと思いますが、個人的には良くやったと思います。ここ一番での勝負強さを持っており、第4Qでの逆転勝利が5回、チームを勝利に導けるリーダーシップを持っているQBだと思います。加えてドルフィンズではダン・マリーノ以来2人目の3000ヤードパッサーにもなりましたので、今シーズンの経験を生かして来シーズンはなお一層飛躍していってもらいたいと思います。

ドルフィンズオフェンスの軸となるランプレーですが、今シーズンは昨シーズンに比べて良くありませんでした。エースRBラマー・スミスの不振もありますが、オフェンスラインの崩壊が最も大きかったんじゃないでしょうか。

プロボウルLTのリッチモンド・ウェブがFAで移籍して、その後を埋めるべきブレント・スミスがシーズン前に故障して使えず、控えのマーカス・スプリングスも第1週のタイタンズ戦で故障してシーズンアウト、さらにシーズン終盤の勝負所でLGマーク・ディクソンも失いました。

RBスミスも昨シーズンほどのスピードが感じられず、スクリメージライン付近で穴を見つけるために躊躇したような走りが目立ちました。TDランも昨シーズンの14個から6個に激減、100ヤードゲームもわずか3試合でした。

結局このランオフェンスの不調がオフェンス力低迷の原因となり、向上したパスオフェンスも十分に生かすことが出来なかったのではないでしょうか。OL、RBとも来シーズンに向けて補強が必要になるところです。

 

ディフェンス部門

今シーズンもディフェンスは安定した力を発揮しました。これがオフェンス力が弱いながらも11勝できた一つの要因でしょう。しかしリーグ1位のパスディフェンスに対してランディフェンスは17位に低迷、その原因はやはり故障者でした。

DTダリル・ガードナーがシーズン中盤に背中の手術のため戦線離脱、貴重なランストッパーを失いました。しかもガードナーはそれまでチームのサック王だっただけにディフェンスにとっては大きな痛手でした。

その穴を埋めるべき控えのDTジャーメイン・ヘイリーとアーネスト・グラントも故障がちで力不足、本来DEのケニー・ミクソンをDTに起用するという苦しい展開にもなりました。

そうなると当然相手チームはその弱点をついてくるわけで、執拗な中央へのランプレーでディフェンスを崩されました。第14週の49ers戦、第15週のペイトリオッツ戦の連敗はその典型的な例でした。

来シーズンに向けて、このランディフェンスを再構築していくことが必要ではないでしょうか。主力選手が欠場しても代わりができるデプス、あるいはシステムを作ることでしょう。

その他DLではDEのジェイソン・テイラーは昨シーズンの14.5サックから9.0サックに半減、DEトレース・アームストロングの移籍が大きく影響した結果となりました。逆サイドにいいパスラッシャーがいたらと思いましたが、アームストロングの穴は意外に大きかったですね。

そのパスラッシュを補うためにチームは今シーズン、ブリッツを多用するというディフェンスを敷いていましたが、何か今一つ中途半端だったように思います。この点も改善すべきポイントではないでしょうか。

ディフェンスの要MLBザック・トーマスは素晴らしい活躍でした。チームトップはもちろんのこと、自己最多の155タックル、インターセプトも2つ記録しました。さらにプレーオフのレイブンス戦では右肩の故障を押して驚異の22タックル、シーズンを通して闘志あふれるプレーを展開してくれました。3年連続プロボウル選出も当然の結果といえるでしょう。

昨シーズン、リーグ随一のユニットを誇ったディフェンスバックは今シーズンも健在でした。インターセプトを量産した昨シーズンに比べて派手さはなかったものの、リーグ1位のパスディフェンスが証明するとおり、ほぼ完璧なパスカバーを見せていたと思います。

リーグ最強のCBタンデム、サム・マディソンとパトリック・サーティンはインターセプトがそれぞれ2つと3つでした。インターセプトが少なかった原因はいろいろあるでしょうが、一つには相手QBがインターセプトを恐れて2人がカバーするところに投げなかったということがあるでしょう。マディソンは今シーズンもプロボウルに選出されました。

ドルフィンズのパスディフェンスはマン・ツー・マンで相手WRをカバーするようにデザインされているんですが、それはCBの能力が高くなければ出来ないことです。つまりそれだけいいDBがいるということですから、パスディフェンス1位もうなずけますね。

その他ニッケルバックのテリー・カズンはパスカバーにブリッツに要所でいいプレーを見せてくれましたし、2年目のSアートロ・フリーマンも先発Sブロック・マリオン、ブライアン・ウォーカーと遜色ないほど成長しています。そしてドラフト1位のジャマー・フレッチャーも今シーズンはまだプロのスピードについていけないところも見られましたが、将来性は十分だと思います。

 

スペシャルチーム部門

今シーズンのドルフィンズのスペシャルチームですが、シーズン前にスペシャルチームコーチがマイク・ウエストホフからキース・アームストロングに代わったということで、正直言ってちょっと疑問視していたんですが、そんなことはまったく感じさせないばかりか、昨シーズンより向上している気さえしました。

特にキッキングゲームのカバーチームはリターンTDを一つも許さなかったばかりか、カバーリングも完璧、特にシーズン終盤に近づくにつれて良くなってきて完成されている印象さえ受けました。決して目立たないんですが、アームストロングの手腕は素晴らしかったと言えるでしょう。加えてそれに応えた選手も素晴らしかったですね。

Kオリンド・マレーはリーグ最高給キッカーにふさわしく、FGの失敗はわずかに2回で90%以上の成功率を記録、非常に安定していました。ただFGの機会が少なかったのがちょっと残念ではありましたが。

Pマット・タークは、昨シーズンは良いときと悪いときの波が激しかったんですが、今シーズンは非常に安定したプレーを見せていました。81回のパントのうちタッチバックはわずか7回、20ヤード以内に落としたのは28回と素晴らしい内容だったと思います。